こんにちは、低身長トレーニーのサクパンです。
最近筋トレを始めた同僚にこんなことを聞かれました。

大胸筋を鍛えるメニューを
教えてほしい!
胸の日はベンチプレスしかやっておらず、大胸筋に効いているか分からないと言っていました。
大胸筋は1つの筋肉にみえて、細かく分けると5つの部位に分けることができます。
筋トレ始めたての時は、大きくてかっこいい大胸筋を育てたいと思っても、大胸筋が5部位あることを知っていないと
かたよったトレーニングにより、変な形の大胸筋が完成したり、肩を痛めたりしてしまいます。
この記事で分かること
・大胸筋をまんべんなく鍛える種目
・肩回りのリカバリー
この記事では私のこれまでの経験と知識を踏まえて、大胸筋のトレーニング方法ときれいなフォームを解説し、最短で大胸筋の肥大と重量のアップが期待できるノウハウをお伝えします。
大胸筋の5部位

大胸筋は一枚の筋肉にみえますが、動かす軌道によって上部、中部、下部、内側、側部どの部位が鍛えられるか変わります。
種目 | フラット 種目 | インクラ イン種目 | デクライン 種目 | フライ 種目 |
鍛える部位 | 大胸筋中部 外側 | 大胸筋上部 | 大胸筋下部 | 大胸筋内側 |
メニュー | ベンチ プレス | インクライ ンダンベル プレス | ケーブル オーバーク ロス | ダンベル フライ |
上記のように、1つの種目だけでは大胸筋をまんべんなく鍛えることができません。
また、一番筋肥大しにくいのが、大胸筋内側で、大胸筋内側は綺麗なフォームと筋肉の収縮を意識したトレーニングを行わないと、
効きづらい部位になります。
フラット種目
ここからは、大胸筋をまんべんなく鍛えるトレーニングを紹介。
まず、大胸筋中部トレーニングのフラット種目代表、ベンチプレス。

ベンチプレスは大胸筋中部
を鍛えるトレーニングです
が、フォームがあいまいだ
と大胸筋の外側にばかり効
いてしまうので注意しまし
ょう。
基本となるフォームは
ケツの穴を締めてお腹をへこまし胸を張り、肩甲骨を寄せ肩を下げる!!
これです。これができればすべてのトレーニングを綺麗なフォームで行うことができます。
なので、ケツの穴を締めてお腹をへこまし胸を張り、肩甲骨を寄せ肩を下げるフォームは必ずマスターしましょう。
ベンチプレス

私サイズのベンチプレスはこの写真の設定になります。
ラックの高さは、肘が伸びきらない位置に設定。
・手首の角度


手首は返さず、手の甲と腕がまっすぐになすように握ります。掌底の位置にバーを乗っけるイメージです。
・ラックオフの姿勢

バーを握って、ケツの穴を締めてお腹をへこまし胸を張り、肩甲骨を寄せ肩を下げるフォームを作ってラックオフをします。
ラックオフ後は、姿勢を動かしたりせず、息を整えてスムーズにベンチプレスを始めます。
・バーを下ろす(エキセントリック)

フォームを作ったまま、大胸筋下部にバーを下ろし、大胸筋下部にバーが少し触れたら、そのままプッシュアップします。
しっかりバーを下げて、挙げきりましょう。
バーを下げることで筋肉が伸び、バーを挙げることで筋肉が縮みます。

ベンチプレスの場合、バー
を胸に下ろしたときに大胸筋
は伸びながら力を発揮します。
この動きをエキセントリック
筋トレといいます。
RMで回数を決める
皆さんはRMをご存じでしょうか?
RMはレペティション・マキシマムの略で、1RMは1回挙げるのがやっとということです。
この表をご覧ください。
2回 | 3回 | 4回 | 5回 | 6回 | |
40kg | 42kg | 43kg | 44kg | 45kg | 46kg |
45kg | 47kg | 48kg | 50kg | 51kg | 52kg |
50kg | 53kg | 54kg | 55kg | 56kg | 58kg |
55kg | 58kg | 59kg | 61kg | 62kg | 63kg |
60kg | 63kg | 65kg | 66kg | 68kg | 69kg |
65kg | 68kg | 70kg | 72kg | 73kg | 75kg |
70kg | 74kg | 75kg | 77kg | 79kg | 81kg |
75kg | 79kg | 81kg | 83kg | 84kg | 86kg |
80kg | 84kg | 86kg | 88kg | 90kg | 92kg |
85kg | 89kg | 91kg | 94kg | 96kg | 98kg |
90kg | 95kg | 97kg | 99kg | 101 kg | 104 kg |
95kg | 100 kg | 102 kg | 105 kg | 107 kg | 109 kg |
100 kg | 105 kg | 108 kg | 110 kg | 113 kg | 115 kg |
105 kg | 110 kg | 113 kg | 116 kg | 118 kg | 121 kg |
110 kg | 116 kg | 118 kg | 121 kg | 124 kg | 127 kg |
115 kg | 121 kg | 124 kg | 127 kg | 129 kg | 132 kg |
7回 | 8回 | 9回 | 10回 | |
40kg | 47kg | 48kg | 49kg | 50kg |
45kg | 53kg | 54kg | 55kg | 56kg |
50kg | 59kg | 60kg | 61kg | 63kg |
55kg | 65kg | 66kg | 67kg | 69kg |
60kg | 71kg | 72kg | 74kg | 75kg |
65kg | 76kg | 78kg | 80kg | 81kg |
70kg | 82kg | 84kg | 86kg | 88kg |
75kg | 88kg | 90kg | 92kg | 94kg |
80kg | 94kg | 96kg | 98kg | 100 kg |
85kg | 100 kg | 102 kg | 104 kg | 106 kg |
90kg | 106 kg | 108 kg | 110 kg | 113 kg |
95kg | 112 kg | 114 kg | 116 kg | 119 kg |
100 kg | 118 kg | 120 kg | 123 kg | 125 kg |
105 kg | 123 kg | 126 kg | 129 kg | 131 kg |
110 kg | 129 kg | 132 kg | 135 kg | 138 kg |
115 kg | 135 kg | 138 kg | 141 kg | 144 kg |
表の見方は、一番左側の縦列がベンチプレスで挙げる重量。
表の一番上の横列は挙げた回数。
例えば、ベンチプレスを100kg挙げたい人がいたとすると、
表の一番左の縦軸の80kgを10回挙げることができたら、1発だけ100kgが上がりますよということ。
7回 | 8回 | 9回 | 10回 | |
80kg | 94kg | 96kg | 98kg | 100kg |
ベンチプレスのメニューで、回数設定に悩む方は、RM表を参考にしてください。
インクライン種目
次に大胸筋上部トレーニングのインクライン種目代表、インクラインベンチプレス(スミスマシン)とインクラインダンベルプレス
大胸筋上部のトレーニングは形の綺麗な大胸筋を作ることができます。
また、大胸筋上部は大胸筋中部を補助する役目があるので、ベンチプレスの重量を挙げたい人は必ず必要な部位です。

インクラインベンチプレスは
バランスを取るのが難しいの
で、スミスマシンで行うこと
をおススメします。
インクラインベンチプレス(スミスマシン)

インクライン設定は、お尻にも角度をつけて、約110℃~120℃になるように設定。
バーを下ろしたときに、バーが鎖骨と乳頭の間に降りるように設定します。
バーの下ろす位置を鎖骨付近にしてしまうと、肩を痛めてしまします。
・握り方


手首は返した状態で握り、ラックオフ時に手首が真っすぐになるように握ります。
・バーを下ろす位置

フォームを崩さないまま、鎖骨と乳頭の間にバーを下ろし、しっかりプッシュアップします。
インクラインダンベルプレス

インクラインダンベルプレスの設定位置はインクラインベンチプレスと同じ角度になっています。

ダンベルを下ろす位置は、インクラインベンチプレスと同じ、鎖骨と乳頭の間の延長線上に下ろすようにダンベルを下げます。
ダンベルプレスは可動域が自由なため、赤線よりもに下げ過ぎてしまうと、肩の前を痛めてしまうので、
赤線より下に下がらないところで止め、プッシュしましょう。

プッシュする時は必ず、肘が伸びきるところまで伸ばし、ダンベル同士をくっつけます。
ダンベルをくっつけることで、筋肉を内側まで収縮させることができ、大胸筋の内側を肥大させることができます。
デクライン種目
次に大胸筋下部のトレーニング、デクライン種目代表のケーブルクロスオーバーです。
ケーブルオーバークロスは大胸筋下部を鍛えるトレーニング。
ケーブルオーバークロスは背もたれがない分、片足を前に出して踏み込み、体幹を動かさず固定することが大切です。
・肘で押して、肘で引く

ケツの穴を締めてお腹をへ
こまし胸を張り、肩甲骨を
寄せ肩を下げる、フォーム
を作ったら、肘主導でプッ
シュしていきましょう。
ケーブルオーバークロス

自分の目線かそれよりも高めに設定して、ケーブルを上から斜め下に引くことで、大胸筋下部を収縮させていきます。



背もたれがない分、姿勢を正すのは難しいですが、腰を曲げることなく、ケツの穴を締めてお腹をへこまし胸を張り、肩甲骨を寄せ肩を下げるフォームを行う。
肘で押しきるときに筋肉をしっかり収縮させるため、両手を近づけることを意識しましょう。
フライ種目
最後に、大胸筋内側のトレーニング、フライ種目代表、ダンベルフライです。
ダンベルフライは大胸筋の内側を鍛えるトレーニング。
腕を閉じる際に、ダンベルをしっかり合わせることで、大胸筋を内側に収縮させることができます。
大胸筋内側はすごく意識しないと肥大させることが難しいので、フォームは最後までしっかり行うことが大切です。
ダンベルフライ



ダンベルフライもインクラインダンベルプレスと同様、可動域が自由です。
肩よりもダンベルを下げ過ぎると、肩の前を痛めてしまうので、大胸筋にストレッチが効いてきたと感じたところで止めて、ダンベルを戻していきます。

小指から広げて、小指から閉じるイメージで行いましょう。

最後は、逆八の字の形に戻して、ダンベルの下側をくっつけると、大胸筋内側が収縮します。

大胸筋を内側に収縮させる
イメージで腕を閉じましょ
う。
リカバリー
やはり、大胸筋トレーニングで痛めやすい所は、肩の前です。
大胸筋に筋肉がつき始めると、大胸筋が肩の筋肉を引っ張り、巻肩のようになってしまいます。
フォームを完璧に行っていても少なからず、日ごろのダメージがのこり、痛めてしまう可能性もあるので定期的にリカバリーが必要。
肩の痛みを予防するためには、肩回りのインナーマッスルを鍛えることが重要になりますので、そのためのトレーニングを紹介したいと思います。
補助トレーニング チューブ
棘下筋(きょくかきん)

棘下筋(きょくかきん)は肩の後ろにある筋肉で、大胸筋だけを鍛えていると
棘下筋が弱くなる→巻肩になる→肩の前の筋肉を傷める
の流れになってしまいます。

私も肩の調子が、悪い時は
チューブトレーニングをト
レーニング後に毎回取り入
れています。

矢印の方向(後ろ)にチューブを50回程度引きます。
赤い線を軸に、肩と肘を体の横にまっすぐ伸ばし、肘と手首でチューブを後ろに引きます。
肩から先をねじるようなイメージ。
肩で引かないようにしましょう。
小円筋(しょうえんきん)

小円筋(しょうえんきん)も、肩回りを背中側に引っ張ってくれる筋肉なのです。

チューブを矢印の方向(前)に50回程度引いていきます。
チューブを後ろに引くときと同じで、赤い線を軸に、肩から肘をまっすぐ伸ばし、肘から上でチューブを前に引きます。
肩で引かないようにしましょう。

軽めな種目のインターバル
中に行うと、時間短縮にな
ります。
体調管理
トレーニングを行っていると、なぜか調子が悪かったり、前よりも重量が上がらないと感じるときがあるかと思います。
そんな時は、ご自身の水分摂取量を疑ってください。
水分不足

トレーニング時不調に感じるときの原因
水分不足
寝不足
栄養不足
筋トレのし過ぎ
上記の中でも、特にないがしろにしてしまうのが水不足です。
皆さんは1日2L以上の水を飲むようにしていますか?
筋肉は水分を多く含むようにできています。
水分が体の中にあればあるほどパワーが出ると思っていいです。
筋肉に水分をため込んでパワーを出すようできるクレアチンという、サプリメントを飲むのもいいですが、クレアチンは水分を筋肉にため込む分、便秘になったりします。
私はすごく便秘になりました。
そこで、クレアチンをやめて、水を1日2L以上飲むようにしました。
すると、クレアチンを飲んでいた時と変わらず、トレーニング時に筋出力と持久力を保つことができたのです。
それ以来、筋出力が落ちたと感じることはほとんどなくなりましたので、皆さんも水は1日2L以上飲むようにしましょう。

こまめな水分補給のデメ
リットは水中毒になるこ
と。
無理をして水を3ℓ以上
飲むことはやめましょう。
ストレッチと加温

筋トレを続けていると、体を絞りながらトレーニングを行うことがあると思います。
ダイエットもしたいしトレーニング強度も下げたくないと思い、高強度のトレーニングを続けていると、けがのリスクが高まってしまいます。
私も、プチダイエットをしながら高強度のトレーニングを続けていたら、30歳で初めて軽い肉離れをしました。
現在、時間がある日は、湯船につかり、ストレッチを行うようにすることで、けがなく過ごすことができています。
また、体を温め血行を良くし、トレーニングにより固まった筋肉をストレッチでほぐすことにより、
深い睡眠を確保でき、体の回復が早くなるのを感じるので、皆さんもストレッチと加温はできるだけ行うようにしましょう。
結論
大胸筋は動かし方で、上部、中部、下部、大胸筋内側、外側のどこに効くか変わっていきます。
1種目だけでは、どうしても形がきれいな大胸筋を作ることが難しいです。
そこで大胸筋トレーニングの日は、3~5種目のメニューを組み、様々な角度で大胸筋を鍛えることが大切。
また、各部位ごとに大胸筋を鍛えることで、大胸筋の形だけでなく、ベンチプレスで扱える重量も上がっていきますので、
今回紹介したトレーニングを、ご自身のメニューに加えていただき、大胸筋トレーニングを充実させてください。
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